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Bio fach Japan (ビオファジャパン)出展レポート

2010年9月21日から23日の3日間、東京ビッグサイトにて「BioFach Japan オーガニックEXPO」が開催され、Panocoも出展しました。
「BioFach(ビオファ)」とは、ドイツ語で「オーガニック専門」という意味で、BioFach オーガニックEXPOはドイツで始まった世界最大のオーガニック専門見本市。
2001年にBioFach Japan(ビオファ・ジャパン) オーガニックEXPO』が開催されてから、日本では今年が10年目に当たり、
日本での開催10周年という会にふさわしい、最多数の出展者、最多数の来場者という賑やかな、活気のある3日間になりました。

<来場者数>

9月21日 晴れ  4,668名 (昨年 4,970名)
9月22日 晴れ  5,710名 (昨年 2,833名)
9月23日 曇り/雨  6,754名 (昨年 5,885名)

3日間合計 17,132名 (昨年 13,688名)


Panocoは、オーガニックコットンを取り扱う出展企業が並ぶ 「オーガニックコットンストリート」にブースを構え、
フェアトレード原料のオーガニックコットン100%の生地を多数展示し、
そのバラエティの豊富さと品質の高さで来場者の注目を集めました。

また展示ブースの他、オーガニックコットン原綿の生産地で
展開されている「bioReプロジェクト」のCEO、Rajeev Baruah氏と、
その妻であり同じく「bioReプロジェクト」の運営を担当するRitu Baruah女史の講演会を行いました。

以下にその講演の概要をご紹介します。


●講演会 9月21日 14:30〜15:30
Rajeev Baruah氏の講演
「インドのオーガニックコットンの現状と遺伝子組換えに対する bioReプロジェクトの攻防

インドにおけるオーガニックコットン現状と、また遺伝子組み換え種子に対抗する措置はbioReプロジェクトではどのように行なわれているのか?

<講演趣旨>
綿はインドの重要な繊維作物であり、約950万ヘクタールで耕作されておりその内90%近くのものが遺伝子組み換えであります。またコットンの殆どが小規模農家によって育てられており、紅茶、コーヒー、ゴム等のような大規模農場ではありません。

綿は、半乾燥地域で栽培され大半は乾燥した痩せた土壌で栽培されております。そこにはインドの農民達が直面している幾つかの問題があります。
一番の問題は”種”であり、農民たちは殆ど利益追求型の種子製造会社によって作られた”ハイブリッド”に依存しております。
これらの”種”が灌漑、肥料と、殺虫剤に依存する農家を生み出しているのです。言い換えればその全てが“持続可能”の正反対であると言うことです。

小さな、そしてやっと収支があがなえる農家は一部に過ぎず、更に彼等の収穫は殆どが天候(モンスーン)次第なのです。
これが彼らを非常に傷つきやすくしております。また農民に対する政府のアドバイスはないも同然です。そして農民に持続可能な提案をするひとは誰もいません。

bioReの活動はこのような背景があるからなのです。
様々な分野がありますが、種子の供給から、持続可能なオーガニックの栽培方法の紹介、有機農業に対する各農家レベルでの、ユニークなトレーニングセンターでの教育訓練までを実施しております。この分野で長年働いてきたbioReの職員達は全ての活動を、また遺伝子組み換えのコットンとの区別の仕方を熟知しております。

 

 

       

Rajeev Baruah氏プロフィール

1959年インドAndhra Pradesh州Hyderabad生まれ。デリー大学の社会人類学のマスターコース修了後、インド北東部アッサム地方の紅茶農園で10年間従事した後1992年に中央インドのオーガニックコットンに参加し以来インドのオーガニックコットンのパイオニアとして活動し現在に至る。またbioReプロジェクトに当初から関与している。

Rajeev氏はインドでオーガニック運動に深く関わり、その創始者のメンバーでもあります。
またインドバイオダイナミック農業組織(BDAI)やオーガニック農業国際所管センター(ICCOA)の役員でもあります。
彼はオーガニックコットン及びbioReテキスタイルチェーンについての国内国際フォーラムにおいて様々な研究報告を行なって来ました。

<注>バイオダイナミック農法−人智学やその教育で有名な学者ルドルフ・シュタイナー(1861−1925)が1924年に提唱した自然と人間との調和をコンセプトに、
ひたすら自然の摂理に従って種を撒き、栽培し、収穫することによって、植物そのものが本来もつパワーを最大限発揮させようという有機栽培農法です。
農薬・化学肥料・殺虫剤を使用しないのは勿論のこと、農作業はすべて天体運行(星/月/太陽の活動やその他の惑星)にあわせて手作業で行ないます。

Rajeev氏は過去18年間その領域で農業者と伴に働いており、綿花栽培農業者を統合したり、認証のためのアドバイザーサービス等徹底的な理解を持っています。
今日、bioReは独自の綿繰りの工場を保有しており、それは社会的責務の規準(SA8000)の認証を世界で最初に取得しています。

Rajeev氏は過去18年間その領域で農業者と共に働いており、綿花栽培農業者を組織化したり、認証のためのアドバイザーサービス等広範囲に亘り活動しております。

今日、bioReは独自の綿繰りの工場を保有しており、そこは社会的責務の規準(SA8000)の認証を世界で最初に取得しております。

bioRe India LTD.の社長として、契約農業者を組織化し彼らに認証、綿やその他の農作物の収穫、綿繰りをアドバイスしたりすることが彼の責務であります。
またbioRe テキスタイルチェーンは独自の規準を持っておりそれをサポートする為にもRemei社に深く関わっております。


●講演会 2010年9月21日15:50-16:50
Ritu Baruah氏の講演
「オーガニックコットンを通しての社会活動」

<講演趣旨>
bioReは生き方です−農業共同体の発展及び改善にむけて捧げられる組織です。
ビジネスの創造のみならずその傘下にある共同体の能力を構築し強化している責任ある社会組織です。

bioReは情熱です。個々人の発展が共同体の発展−その経済的安定と社会的な高揚−へと先導するのは、それぞれのひたむきな努力と信頼そして信念の結果である。

これらの農村社会に対し、公明でひたむきな社会奉仕プログラムを指揮する分離組織として2002年の”bioRe Association”が設立されましたが、
このコミットメントこそが模範的な例であります。
その活動は、有機農業のより良い理解と実践のための農業者訓練(トレーニングセンターと野外学校の設立、そして運営)、共同体の人々の健康管理(移動ドクターカーによるヘルスキャンプの実施)、教育(僻地の子供達への初等学校の設立と運営)、環境(バイオガス設備、無煙コンロ、自活生計プログラム)などが含まれております。

透明性を高め、支援者が直接サポートし適当な時期に訪問することにより受益者とを直接結びつけることが出来る。その結果、両者の関係を確立いたします。

それは、農村と何千キロも離れたところに住んでいる支援者が人類の幸福のために伴に働く参加型のプログラムである。

 

 

 


   

Ritu Baruah氏プロフィール

ムンバイ市で生まれ育ち、1982年聖ザビエル大学社会経済学卒業後法律の勉強もしました。
ムンバイと言う都市環境の中で育ちインド国内の三つの言葉を流暢に話します。

彼女は、bioReに参加する前に小学校教師としてまた管理者として働きました。

彼女の娘が誇りに思っている母親、そしてひたむきな妻として彼女は参加当初からbioReの考え方に関わっています。
彼女の夫であるRajeev氏が有機農法の開発にあまりに献身的に関わっているのを見るにつけこのbioReプロジェクトに是非参加したいと思うようになったのです。

今日、彼女はbioRe Associationの代表であり2003年以来その活動に積極的に関わっています。
その共同体における子供達とのかかわりや女性の福祉について考えることが彼女の情熱の源なのです。

彼女は、有機農業のbioReトレーニングセンターの設立にあたり貢献され様々な分野に発展したbioReの社会活動を見てきております。
また彼女はスイスのbioRe基金と緊密に連携して活動しています。

bioReを通してのその旅は彼女を奮い立たせ、コミュニティと頻繁に接触することによりその文化、諸問題及びライフスタイルが彼女の好奇心をそそり、
彼女の心に深く共感を与えています。


 
会期中には、織田ファッション専門学校の生徒さんらによる「オーガニックコットン・ファッションショー」も開催されました。 ファッションショーはその後のパネルディスカッションとあわせ、23日11:50か ら1時間ほど催されましたが、すばらしい作品の素材には、Panocoのオーガニックコットン生地が使われています。ウエディングドレスを中心とし、パノコの提供した生 地で7−8点ほどが出展されました。とても盛況でした。

最終日の23日の「パブリックデイ」は祝日が重なったこともあり、雨天にもかかわらず 一般のお客様に多数ご来場いただきました。
各ブースではアウトレット品の販売も行われ、 賑わいの内にも、日本にもオーガニックコットンが 社会的にもしっかりと認知されてきた事が感じられました。

 

 

パノコのオーガニックコットンで作られたウェディングトレス

  オーガニックコットンのユニークなデザイン

Rajeevさん、Rituさんご夫妻 織田ファッション専門学校で講演

9月24日(金)午前10時40分-11時50分 ビオファ2010展でエシカルファッションショーなど、協力をいただいた 織田ファッション専門学校の学生の皆さん向けに、ご夫妻の特別講演会が催されました。 全学年の学生の皆さんが講堂に集まりました。
まずご夫妻は、学生の皆さんから暖かく迎えられ、記念品がプレゼントされました。 Rajeevさんのインドに於けるオーガニックコットンプロジェクトについての講演の後、 奥さんのRituさんから女性の自立や子供の教育についての社会活動についての講演がありました。

ファッションデザイナーをめざす学生の皆さんは、常に形や色や シルエットの美しさ、そして布地の風合いや機能について学んでいます。
その上で、素材としてのコットンのエコロジー性や社会性についても学ぶ事によって 服飾としてのより深い洞察力が養われるものと思います。
イギリスのファッションデザイナーのキャサリン・ハムネットは、一貫してエシカルのテーマをベースにおいて成功してきました。
パリでは今年9月25日からエシカルファッションショーが4日間、開催されました。 http://www.ethicalfashionshow.com/efs2/homepage.html
このようにヨーロッパではファッションの業界でエコロジーやフェアトレードのテーマは年々重要視されてきています。
その意味で、インドのオーガニックコットン農業プロジェクトで8、000人の農民のリーダーとして実際に活躍されているお二人の講演は意義深いものでした。
織田ファッション専門学校からエシカルファッションの先駆者がどれだけ輩出されて ゆくか、これからが楽しみです。

織田学園でもRajeev 氏の講演会が開かれた

 

織田学園の方々から記念品の贈呈

   

Rajeev 氏の講演

 


  Ritu氏の講演