"Organic" is not a label - but an attitude |
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REMEI AG(INDIA / TANZANIA)
bioRe Project
bioRe Foundation / bioRe基金
オーガニックコットンプロジェクトをスムースに進めるため「bioRe基金」が設立されました。
基金はRemei社及びその理念に賛同する法人、個人からの寄付金によって運営されています。そして、この基金を通して生産者と彼らの暮らす地域に様々な支援をしています。
bioRe のいう"オーガニック"は、単なるラベルではなく、活動の証なのです。
1. ORGANIC FARMING / 有機農法に関する教育の場の提供
トレーニングセンターと野外学校
農薬と化学肥料を使った慣行農業からオーガニックに転換するには、正しい知識や技術が必要です。
そのため、整備の整ったトレーニングセンターを建設し、そこで有機農法やバイオダイナミック農法(*)の指導をします。
インドではセンターから離れた村でも、野外学校(FFS)を開き、トレーニングマネージャーと各地域担当マネージャーが中心となって、
参加者に有機農法と年間を通して行う仕事を具体的に教えています。FFSにも1年間で3千人近い生産者が参加するなどオーガニック生産の輪が広がっています。
またタンザニアでも同様の事が行われていますが、こちらでは各村ごとにもトレーニングセンターを作っているところです。
農法の違いによる綿花栽培収穫量の調査
有機栽培が慣行農法に比べてどのように優れているかということを知る目的で、有機農法、バイオダイナミック農法、慣行農法、
およびBTコットン(遺伝子組み換え)農法の4種類の、
10年間に亘る収穫量調査がインドの新しく購入した実験農場でスタートしました。
有機農法およびバイオダイナミック農法は2-3年たつと収穫量が確実に伸び、生産者の収入増につながります。
農薬や化学肥料を購入する費用も減らせるので、生産者の実質的な利益も増えます。
また有機農法、およびバイオダイナミック農法が環境にどういう影響を与えるか、気候変動に対応できるかなど、
持続可能な綿の生産についての調査も同時に行っています。
2. EDUCATION / 子どもの教育支援
生産者が暮らす村には学校がないところも多く、子どもたちは遠くまで通わなければなりません。
基礎的な教育を受けてないため、通学し始めても授業についていけず、他の地域と比べて落ちこぼれてしまう子どもがたくさんいます。
子どもたちがこのようにならないために、幼稚園のような初等的な教育を施すためのAnimation Schoolを建設しています。
村の子ども達が教育を受けられるように、毎年2-3つのAnimation Schoolを建設予定で、現在では7校出来ました。
そこで学んだ子どもたちは、文字や計算を覚え、両親に教えるケースも出てきています。
プロジェクトでは2012年までに30校を建設する計画です。
3. INFRASTRUCTURE IN HEALTH AND NUTRITION / 生産者や地域の人々の健康に対するインフラ整備
インドでは、医療施設のない村がたくさんあります。
そこでbioRe基金から、農村地に住む人々の健康管理に役立つようなチームを組んで各地域を巡回する「移動ドクターカー」が2006年12月に寄付されました。
車内には内科医が乗り、各地を回って問診、レントゲン、心電図、病理検査などを行っています。
「bioRe基金」が提供する薬は市場より5割も安く、すでに1万人を超える患者が「移動ドクターカー」を利用しています。
また病人が適切な治療を受けられるように、評価の高い病院から専門医を乗せて地域を訪問する「ヘルスキャンプ」というアクションも実行しています。
これは開始から2008年秋までに418日行われました。
タンザニアでは、特に乾季に清潔な水へのアクセスにとても苦労する地域が多いので、
「bioRe基金」が井戸の建設諸費用を提供し、
地域の人々と共にMEATU地域に、19の新しい井戸建設と、15の既存井戸の復旧工事をするプロジェクトが2007年10月にスタートしました。
2010年には終了する予定です。
これにより、きれいな水を得るために、今まで何時間もかけて水くみに出かけていた時間と労力が大幅に節約されるのです。
4. bioRe基金からの就農に対する資金援助 INFRASTRUCTURE IN AGRICULTURE
契約農家にとっては、綿花栽培にはさまざまな道具や設備、また諸費用が必要です。
それらを整えるには、高利のお金を借りるしかありませんでした。
そこでRemei社は、有機農業への転換がスムースにいくように、農家に対しても「bioRe基金」を使って、3年間無利子の資金貸付を行うようにしました。
生産したコットンがその返済に充てられます。
また、各家庭に家畜の糞を利用した燃料であるバイオガスプラントを作るように勧めており、これに対しても無利子の貸付を行っています。
簡単に作れ、維持費も掛からず、家畜の糞の再利用にも役立ちます。
調理にも使えるので、生活に必要な燃料の木材を集める時間も省けるため、木材伐採も防げ、CO2削減につながります。
この基金は個人あるいはコミュニティのプロジェクトもサポートします。
正式な、民主的な承認を得ていないような場合でも、すばらしい内容であれば支援し、地域に還元しています。
5. ORGANIZATIONNAL DEVELOPMENT and CAPITAL CREATION / 生産者への自立支援
女性が労働の機会や社会参加を増やしていくためにも手紡ぎや手織り、手刺繍などの手工芸で収入を得られるように支援しています。
具体的には、女性グループに布の織り方、縫い方を指導したり、出来上がった製品を買い上げたりしています。
また、小規模農家にも参加しやすい有機農法コミュニティを作り、お互いに知識や技術を教えあい、資金と情報が地域に蓄積される手助けをしています。
地域の人たちの能力を開発し、仕事の機会を数多く提供することで持続可能な社会を目指しています。
FAIRNESS / bioReの考えるフェアトレード "Fairness is best style"
1. 生産者の組織化
零細な生産者が共同することで効率をあげたり、発言力を持ったり出来るように組織化することを推進しています。
2. 買い取り保証とプレミアム
綿花相場の過去5年間の平均価格に対するプレミアムを、農家との話し合いのもとに決めています。
プレミアムはガイドラインとして15%ですが、その年により多少異なります。
生産者は収穫した綿花を上乗せ価格で全量売り渡せるので、安心して仕事に励めます。
農薬や化学肥料を使わないで生産し始めてから3年間のオーガニック移行期間の生産物に対しても一定のプレミアムがあります。
一般のフェアトレードでは、買い取り保証なしでフェアトレード価格を提示しますが、これは必ずしも農業者を支援することにはなりません。
収穫量が少ない年は、年間の所得は減少し、逆に収穫量の多い年は市場価格が安くなり、フェアトレード価格が相対的に高くなってしまって、
苦労したコットンが売れ残ってしまいます。買い取り保証は農家に生活の保障を与えるのです。
bioRe India
a. 1991年に商業ベースではなく、現地の生産者が自活出来る方法を探る意味合いを込めてオーガニックコットン・プロジェクトを開始。
b. 現在bioRe Indiaは約300人の農民株主との共同の会社になっており、会社の利益
のものが本人たちの利益に反映されます。
また7800人以上の生産者がこのプロジェクトに参加しており、2008年の原綿生産量は2700トンを上回るものでした。
c. 取締役は5人。社長のRajeev氏、農家から2人、Ekta Parishad(☆)の創立者で社会活動家のRajagopal氏、そしてRemei社長のPatrick Hohmann氏です。
d. スタッフは96名。その多くは農業指導監視員として、内22名はジニング工場(綿から種を取り除く工場)で働いています。
e. 毎年収穫を祝って”Open House Day”を開催し、取引先や生産者、その家族が集まります。パノコからも出席しています。
bioRe Tanzania
a. bioReの2つ目のプロジェクトで、1994年から有機農業による農家の生活向上を目的とし現地の紡績会社と共同でスタートしました。
2000年からはbioRe Tanzania社として独立しています。
b. 現在はMEATU地区の15の村で2300人以上の生産者がこのプロジェクトに参加しており、2008年の原綿生産量は2800トンにも達しました。
c. スタッフは117名。各村にはその内3〜6名の農業指導監視員を割り当てています。