REPORT[レポート]

2012年セミナー報告

■“White Gold from Tanzania”

去る2012年5月9日(水)・10日(木)、パノコでは東京国際フォーラムで開催されていたテキスタイルビジネス商談会、”Premium Textile Japan”に出展していましたが、その合間を縫ってbioRe Tanzaniaの責任者、Mr. Niranjan Pattniをお招きし、10日にセミナーを開催いたしました。パノコが綿を輸入している”bioRe project”は、インドとタンザニアにてREMEI社(スイス)が展開している世界最大規模のオーガニックコットンプロジェクトです。

Pattni氏はシニャンガのメアトゥ地区で小規模農家を束ね、オーガニックコットンを栽培するプロジェクトに当初より取り組みました。
bioRe タンザニアは拡大を続け、現在では2500人の契約農家と68人のスタッフが従事しています。

また、今回は特別に、タンザニアオーガニックコットンの最大ユーザーである池内タオル㈱の池内社長から、コットンヌーボーのコンセプトのご説明と、実際にタンザニアを視察された感想などを含めたお話をお聞きしました。セミナーの進行はおおよそ、下記の通り進みました。

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司会進行役の御法

 

 

■野倉のセミナーに当たっての下記の簡単なご挨拶

1.パノコ・NOC(日本オーガニックコットン流通機構)とREMEI社との関係
2.Textile Exchangeのレポートによると、折角順調に増えてきたオーガニックコットンの生産量は一昨年の24万トンから昨年は19万トンに激減。アフリカでは、タンザニアは変わらないがウガンダは78%減、今年は更に減ることが予想されています。また、ブルキナファソではGMOの種のコンタミが懸念されている。そしてインドは19万トンから10万トンに半減。減少の大きな要因は、GMOフリーの種の確保の困難さと、BCIの動き。

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パノコ野倉社長からご挨拶

 

 

■REMEI社長、Mr. Patrick Hohmannのオーガニックコットンの取り組みのDVD上映
タイトル:”Ready to wear fashion, ready to be responsible”

Mr. Niranjan Pattniの講演 タイトル:”White Gold from Tanzania”

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bioRe projectのPattni氏

 

 

■池内社長&佐藤氏によるコットンヌーボーのコンセプト説明、タンザニア、bioReについての講演

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(左)池内タオル社長池内氏と(右)佐藤氏

 

 

■最後にMr. Patrick Hohmannよりのメッセージ

「日本のクライアントやバイヤーの皆さま、いつも私たちをサポートしてくださりありがとうございます。

私は、世界にある貧困問題を解決してゆくことを喜びとしています。
国連では「国連ミレニアム開発目標」を掲げ、具体的な8項目の達成を目指しています。この中で最大の問題は飢えや貧困で、農業の窮乏化と密接に関係し合っています。
政府間で、この問題を解決することは不可能で、それぞれの分野の人々が自身の問題として考え、国際的に協力することが必要です。
有機農業こそ、色々な側面で人類に有益であることは明言できます。有機農業を通じて、より健康的な社会環境を作り、明るい未来にしてゆけると信じています。

最近私は、かつて貧困に苦しんでいた村がbioReプロジェクトの下で有機農業に転換し、家畜を増やし家を建て、学校などの社会的な設備も整え、すっかり貧困の生活から脱した光景を見てきました。私たちのビジネスが、このように貧困解決に役に立っていることに誇りを感じました。
そして、この事業に関わる国際的なパートナー企業の皆さんの問題意識から発せられる尊いご協力に敬意を表します。

特にこのほどパノコ、池内タオル、そしてNOCのみなさんには、タンザニアの飲料水施設の建造に多大なご支援をいただきました。深くお礼を申し上げます。このプロジェクトの素晴らしさは、ファッションを楽しむと同時に地球人としての責任を果たせることです。

Patrick Hohmann パトリック・ホフマン」

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ご聴講いただいた皆様、長時間ありがとうございました。

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