REPORT[レポート]

bioReのOpen House Day 2014

■毎年インドで開催されるbioReのOpen House Day(生産者とカスタマーの交流会)に、今年は私、三保が参加します。この仕事に携わって7年になりますが、ようやくオーガニックの”現場”を目撃できることに少しだけ興奮しています。さて、どんな旅になるでしょうか。娘からもらった手作りのお守りを片手に行って参ります!

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■インディラー・ガンディー国際空港(デリー)に到着しました。インドールへの国内線乗り換えまで時間があるので、日の出とともにオールドデリーに出かける予定。不安でいっぱい。ムガル帝国時代より続くオールドデリーのメインストリート、チャンドニー・チョーク。(月光の広場って意味。素敵)まさに、ザ・インド。混沌。何故か体の細胞が震える。

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■朝靄に霞む世界遺産ラール・キラー。超弩級の堅牢な城壁に囲まれたかつての都の中心地。圧倒的な迫力と繊細なディテール。ものすごい広さ。庭園の中は城壁の外とは打って変わって、静かな時間が流れている。野鳥とリスとインド人みたいな野良犬、手を繋いだおじさん達。

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■インド最大級のモスク、ジャマー・マスジッド。荘厳な美しさ。しかも、ミナレットの中心にはシャンデリア‼︎展望台に登ろうと思っていたのに、残念ながらお祈りの時間で登れず。んで、ガイドにぼったくられる。むぅー。

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■国内線で移動して翌日の朝。

宿泊したテントに備え付けのシャワーはなく、朝から係りの人が運んで来てくれるバケツ一杯の熱湯を水で冷ましながら水浴びするというスタイル。これが思いのほか快適だった。今日はソーシャルプロジェクトを中心に見学をすることになるようです。モバイルヘルスユニットの見学。この医療バスは、2006年にスイスコープより寄贈されました。農家の村々を定期的にまわり、治療にあたっています。薬も格安で手に入るそう。農家の方々は単なる生産者ではなく、重要なチームの一員だという姿勢。すごい。本当にすごい。

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■bioReの契約農家の方の住まいに立ち寄る。彼らの暮らしはやはり貧しいが、温かい祝福を受けた。特別に用意されたセレモニー会場で披露してくれたショウは、何から何までインド的だったのだが、それでも彼らの精一杯のもてなしに思わずグッときてしまう。子供達が本当にたくさんいて、本当に可愛らしい。我々の取り組みがこの子達と繋がっていることを嬉しく思った。

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■試験農場。bioReでは、インドで最も深刻な問題であるGMO Seed(遺伝子組み換え種子)に対処する施策として、自前の種子の調達に乗り出しています。あらゆるNon GMO Seedと農法の組み合わせが多くの畑で試され、その成果が出て来ています。

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■インドの農村風景は都市部のそれとは違い、とてものどかだ。大地が広大であるということと、ファーマーの顔がものすごく濃いということを除けば、どこか懐かしささえ感じてしまう。澄んだ空気と、見るからに肥沃な土壌。そして、都市部のギラギラした男たちと比べれば幾分素朴に見える人々の、穏やかさの中に透けて見える誇り高い精神。私はそれらに、ただただ驚く。いや、本当のインドは、むしろこういうものなのかもしれない。

オーガニックの思想はもちろんのこと、それを実践するためのシステムが本当によくできていることに、改めて感銘を受けた。私はその一部をかいつまんで見ただけに過ぎないが、多くの失敗と課題を乗り越えてきたものだけが持ちうる、論理的で現実的な細やかな方策の連携。洗練され、思慮に満ち、綿密に組織され、それでもより良い方法を探ろうとする在り方は美しくさえある。これはもはや、システムというよりデザインと呼んだほうがいい。まさにサスティナブルデザインだ。

 

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そしてもうひとつの驚きは、この土地でこのデザインが現実として成立しているという、やはりその事実だ。多くの困難があったことを想像するのは難しくない。プロジェクトに参加する意義やメリットを、根気強く語るという地道な行いがあったのだろう。もちろんビジネスではある。

しかしながら、REMEIのパトリック社長や全てのスタッフの柔らかくフレンドリーな人柄、穏やかで包み込むような優しい声が、このプロジェクトを実現可能なものにし、多くの人を巻き込んでいったのではないか。「正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気づいているほうがいい」という吉野弘の祝婚歌のワンフレーズが頭をよぎった。見ず知らずだった二人が一つの家族を築いていく困難と喜び、その感動的な出来事と、このプロジェクト全体がどういうわけか重なって見えた。

 

 

miho