REPORT[レポート]

bioReのOpen House Day 2016

2016年11月17日、18日のOPEN HOUSE DAYに、パノコトレーディングより今年は池上が参加しました。

 

11/15  Indira Gandhi International Airport

世間がアメリカ大統領選に衝撃を受けていた頃、インド在住者と私の混乱は別の所にあった。11月上旬、インド政府の指示により、突然高額紙幣の取り扱いが廃止されたのだ。両替所も大行列、外のATMや銀行に並ぼうものなら3,4h待ちは必須。1日に下せる限度額も決められている。あまりに急だ、急すぎる。

という訳で、迎えに来てくれていた友人と合流できたのは21時過ぎ。

今宵はインドのちゃんとしたインド料理屋へ。まだお腹に問題を抱える訳にはいかないのだ。

魅惑のインドに乾杯。

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■Morning

07:30幻想的な朝。ではなく、酷い大気汚染で咳き込む朝。

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■Qutub Minar

インドール行きまで時間があるので、世界遺産へ連れて行ってもらった。

1200年頃に奴隷王朝により建てられたクワットゥル・モスクのミナレット。ミナレットとはイスラムのモスクに建っている礼拝時刻を知らせるための塔の事で、世界で最も高いミナレットがここ、クトゥブミナールだそう。元々モスクに付属して創られた歴史的背景から、イスラム様式とヒンドゥー様式が混在している。インド人の学生も多数。日本人は珍しいので度々握手を求められる(苦笑)

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■Indore→Training Center

デリーから国内線で1h30,インドールからみんなでバンに乗り2h30。

夜遅くにトレーニングセンターに到着。バナナと温かいスープとバナナのおもてなしが身に染みる。犬の遠吠えと虫の音と鳥の囀りと共に長い一日を終える。

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11/17

■Morning

6:30 寒くて目が覚める。テントを出ると満開のマリーゴールド。

デリーの喧騒が嘘の様なフレッシュエアーとドイツ語。

とても有りがたいことに、早朝からトレーニングセンターで働いているメンバーがシャワー替わりのホットウォーターや朝食の準備をしてくれる。

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■Introduction of the training center

トレーニングセンターで働いているメンバーの紹介、そしてとっても良い香りがするマリーゴールドのレイのプレゼント。インドではこのゴールデンフラワーに幾度となく歓迎される。

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■Demo farm

有機農業を志す農家のためのbioRe Demo farmへ移動。

オーガニック農作物生産の考え方やGMO問題について、bioRe India CEOのVivekさんから説明を受ける。GMO種子であるかそうでないかの判別方法について、それは後程。

そして、バイオダイナミック農法を見学。写真は、水の性質をよく理解してつくられたフローファーム。(確か)水が八の字を描きながら流れてくることで、浄化された水になると説かれている浄化装置。

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■Organic cotton fields

綿家の方々と交流。実際に殺虫剤として使用している物を見せて頂く。

ニーム等10種類の植物+牛尿+牛糞+水をミックスした殺虫剤、かなりの刺激臭!!そして、いよいよ広大な敷地に広がる綿畑へ。強い陽射しを受けてコットンボールが花開いている。ひたすらみんなで歩く・歩く・歩く。

GMO種子かどうかの判別をする検査実験も見学。2本ラインが入るとGMO種子だったかな。書類には、エヴィデンスとして各農家の試験結果が貼られていて、よく管理されている。

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■LONG TERM SYSTEM COMPARISON TRIAL

丁度日が沈み始めたころ到着。異なる種子と農法を使用し、それが地盤や収穫にどの様に影響していくのかを実験をし続けている。スケールの大きさが桁違い。

異なる種子というのは、勿論GMO種子での実験も行われている。長年の研究結果を見れば、オーガニック種子と収穫量ではさほど差がないことなど明確。この事実が、より多くの人々に伝わる事を願わずにはいられない。

最後の晩餐はトレーニングセンターに戻り、みんなで。

お酒が入ると寒さを全く感じない!

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■寒さで目が覚めるDAY2

朝食を食べるこの場所からの眺めが好きで。というのは私だけではなく、気付けば見える側の椅子が早々に埋まる。

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■Aavran handlooms

bioReアソシエーションの一つであるAavran handroom。女性の経済的自立を奨励し、天然繊維を使用したモノづくりをしている。草木染めのデモンストレーションも行ってくれた。濃染処理も媒染剤も不使用。

個人的な話しになるが、インドは私にとって憧れの地である。というか、布好きにとっては聖地です。一生をかけても回りきれないであろう広大な国土、その地域ごとによって全く異なる特徴を持つ手仕事が成されている。この国の布は、生き生きとしていて、私がインドの手仕事にひかれるのはそこだ。Aavranでも、インドの手仕事を活かしたモノづくりを追究できればそれは本当に素晴らしいはず。そうであってほしい。

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■Visit the animation school

トレーニングセンターから凸凹道を車で走らせ、Animation schoolに到着(パノコもサポートしているKalakhet村の学校には伺えず)。

未だにカースト制度が色濃く残るインド、綿家で働く彼らの暮らしはハイテクではないし、物質的な豊かさは無い。でもだから悲劇的というわけでもなく、ありのままを生きる強さを感じさせられた。自然と向き合う彼らの瞳は、毎日パソコンに向かっている私の一言より、よっぽど真実に近い。

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■Visit Ginning unit

最終目的地、新しいジニング工場へ。

特筆すべきは、世界で初めて、全ての電力をソーラーパネルで賄うという点。スゴイ!!

ここで綿花を種と綿に分ける。分離された種は翌春まで取っておき、残りの種も綿実油等に使用される。綿家の方々が一つずつ丹念に手摘みしたコットンボールはふかっふかのワタの状態へ。もちろん、ダイブです。

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■EPILOGUE

入社以来、ずっとこの目で見たいと思っていたオーガニックコットンの生産現場。

大規模の様に感じるRemeiの取り組み。しかし、私が目の当たりにしたのは本当に地道な有機農業の実験の繰り返しとその成果であった。今まで点でしかなかったことが、初めて線で繋がった感じだ。

インドは、あまりにも多面的な国であり、そしてRemeiの長年による取り組みについて、私が垣間見たのは、ほんの一部分でしかない。(なのでまとめられない)

それでも、非常に貴重な実体験となった。

世の中には、知っているようで知らない事が本当にたくさんある。

タンキュー!!

Thank you so much for such a great experience.

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