REPORT[レポート]

bioRe Open House Day 2017

narita

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今回のOHDはお客様をお連れして日本からは7名で参加。(パノコからは三保と池上が参加)みなさん、まだ見ぬ国に少し気を張っているでしょうか。さあ、出発。

 

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この日からのガイドはNeeraj(通称ニラさん)。土埃と野焼きの入り混じったPM2.5やPM1.0は当然インド国内でも深刻な問題で、この日デリーの学校は休校になったそう。そんな中、私たちは身を削ってかつてのムガール帝国の都であるOLD DELHI周辺を観光。この天候と熱気と混沌とした街並みに、常識や上面な知識なんて何の意味もなさない。と生きる強さをただただ感じる。彼らは、この街の中に完全に溶け込んでいて、ただ、そこに存在している。

 

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数m先もはっきり見えない位、酷い大気汚染と霧。当然、インドール行の国内線も数時間遅れた。乾季本番のこれから、風も雨もふかない日々が続くため、2月頃まで状況は酷くなると言う。
今年の参加は例年になく大人数だったので、ムンバイ組の到着を待たずに出発。今年は、国内線の時間が早まった事により、トレーニングセンターでディナーのはずが、結局例年通りになった。bioRe INDIA CEOのVivek氏が気を利かせてスタッフにサンドイッチのデリバリーを用意してくれていた(勿論スパイシー)。12:00AMをとっくに回ったころ目的地に到着。

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全員と顔合わせできた翌朝。再会を喜び合ったり、初めましてだったり、みんな今日から始まるOHDに胸を高鳴らせる。ちなみに、トレーニング施設で出された朝食のほとんどは自家栽培の有機とVivek氏より!(Yogurt, Sprout, Fresh milk, Egg and so on)。Remei/Patrick氏とbioRe India/Vivek氏の挨拶を交えて現地スタッフの紹介。

 

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トレーニングセンターに新しく併設された品質改良のためのハウス。この中で種子交配のリサーチをしている。GMOが猛威を振るっている昨今、品質の良いNON GMOの種を入手することは大変困難な状況になっている。そのため、bioRe INDIAでは、自分たちの手で種子を作っていくことを始めている。2010年からインドのDharwad大学と提携し、共同で種子のブリーディングと環境調査を行っている。過去5年間で開発された300品種もの種子の中から10品種の種子が最終段階まで残り、2種類の種子が実際に栽培スタート。オーガニックコットンを栽培していくためには、輪作をしなくてはならないので、綿の栽培以外の野菜や穀物等も育てている。

 

bio

例年通り、Aavran Handloomsを訪れたり、Biogas plantやバイオダイナミック農法の説明を受けたり。写真は、雌牛の角にフレッシュな牛糞を詰めた牛角糞。他にも牛角シリカ等、量や保存期間や、種まきの時期等、すべてに期待できる効果や意味があると言う。比べると土がサラサラで匂いが無臭に近いのでびっくり。

 

farmer

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農家は、年度ごとに色分けされた伝票で管理されている。何とスマートフォンでも管理が出来るというから驚きだ。車移動は日本人+ニラさん+bioRe TANZANIAスタッフ+bioRe INDIAスタッフ。

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世界有数の調査機関であるFiBLと共同で行っているLONG TERM SYSTEM COMPARISON TRIAL(実験農場)を訪問。様々な種子と農法の組み合わせで実験が行われている。写真は左がGMO種子、右がNO GMOのBD農法。葉の色だけを見てもだいぶ違う事が分かる。

 

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研究用に種や土を年度ごとに保管していたり、昆虫の研究もしている。研究と言葉にすればたやすいが、気の遠くなりそうな組み合わせの多さだ。来年に使用される種のストックもどっさり。

 

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8エーカ(東京ドームは約11.5エーカ)の広さがある種子開発農場。在来種やF1まで様々な種類の種を作っている。繊維長の長いデシ綿の品種にもご対面!(丁度今頃日本で試作が上がっていたころ?)昨年より1週間早く開催されたこともあってなのか、綿家でもコットンボールがたくさん見られた。

 

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トレーニングセンターに戻ってみんなでディナー。夜道を照らしてくれている蝋燭の芯も贅沢にオーガニックコットン。というか、ある物を使う、それがOCというとてもシンプルなことなんだと思う。ディナーは勿論、インドカレー。昨年は英語とドイツ語が飛び交っていたが、今年は大阪弁も大いに響き渡る。

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朝食後、トレーニングセンターに併設されているGMO testing labへ。現在、インドで生産されているコットンの内、95%がGMOである。bioRe INDIAでは、新たなGMOテストマシーン“ELISA”を取り入れ、検査精度を更に高めている。

 

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アニメーションスクールでは、12歳までの子どもたちへ初等教育を提供されている。スイスの大手デパートであるコープスイスの資金援助により、13歳以降の子供たちも継続して勉強が出来る様、bioRe public shcoolがある。bioReに参画している農家の子ども達は無償、それ以外の子どもたちは学費を払って通うことができる。

 

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最終目的地、インドではじめてSA8000の認証を得たジーニング工場へ。昨年のお披露目会ではまだ稼働していなかったので、動いている所を見るのは初めて。(ソーラーパネルの設置は未だ)ここで繊維と種が分離され、そうして出来た原綿は、プレス機で圧縮され、200㎏のベールになる。すごい量の繊維ダストが舞う中、スタッフの方はマスクをしながら作業されていた。強い日差しの中農作業をされている農家の方々もそうだが、身体的にも大変な仕事、本当にご苦労様ですといった気持ち。そして生地をもっと大事に扱わなくては。最後はお決まりの場所で!!

 

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インターネットの普及により、実際に行かなくても色々な世界を見ることができる今日。同時に知識だけが詰め込まれ、分かった気になることが少なくない。自分たちの脚で現場に行くということは、触感や臭いや温度、人々の想いを感じるということ。そういった体験や感覚こそが強烈なインパクトを其々に残し、サスティナブルへとつながるのではないだろうか。2日間一緒だったヤモリ殿との共存生活も(いや単体っていうかもっとたくさん)お別れ。またねー

 

今回、インドツアーにご参加頂いた、IKEUCHI ORGANIC/阿部様、エグジステンス/石川様、チーム・オースリー/前田様、日の出毛織/藤原様、マアル/櫻木様、どうもありがとうございました。

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