REPORT[レポート]

古代エジプトからの贈り物 GIZAコットン 前編

 

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この度、パノコトレーディング では世界三大高級綿のひとつであるGIZAコットンの取り扱いをはじめます。

入荷は2019年春の予定です。

 

エジプトで綿の栽培が始まったのは、一説によるとなんと紀元前327年。

アレクサンダー大王がアジア遠征の際に「インドには羊毛の如き実をならせる樹木が有る」と日記に記し、

綿の種を持ち帰ったことが起源とされています。

 

今日でも綿の主要産地であるエジプトで育つGIZAコットン。

別名「白いゴールド」と呼ばれ、他の綿に比べ耐久性が高いと言われています。

油分が適度に含まれており、光沢のあるとろみ感が特徴で、軽くてしなやかな風合いです。

 

 

GIZAコットンはそれぞれの品種に開発順に番号が振られています。

今回、わたしたちが新しく取り扱うのはその中のGIZA92。

GIZAコットンの数ある品種の中でも、質が良いとされる長超綿です。

繊維1本1本が長くて強いため、160番手という超極細の糸までひくことができます。

(実際にラインナップに加わるのは90番と120番の予定です)

 

GIZA92が栽培されているのはダミエッタ県(ドゥミヤート県とも呼ばれる)というエジプト北部の県で、

北は地中海に面しています。ナイル川河口のデルタ地域に位置していて、

夏の気温は最高で50度近くにもなるそうです。

 

 

 

今回新しく取引することになったエジプトのSEKEM社は、

コットンのみならず様々な農作物をバイオダイナミック農法のみで生産している

アフリカ大陸におけるオーガニックのパイオニアの一つです。

過去40年間で680ヘクタール以上の砂漠をオーガニック作物の農地に変え、

契約農家が適切な教育・就業・生活を受けられる場所へと築き上げています。

 

昨年11月、弊社 御法が現地を訪れ、その取り組みを視察してきました。

 

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上/弊社 御法(左)とSEKEM社取締役会会長 Helmy Abouleish氏(右)

 

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上/SEKEM社が提供する教育施設

農家の子供たちが適切な教育を受けられるよう支援をしています。

 

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上/ SEKEM社が提供する教育施設

SEKEMが運営する教育施設ではオーストリアの学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育が取り入れられています。

 

 

そんな今回新しく仲間入りするGIZA92。

春先にまかれた種はすくすくと育ち、先日ついに開花しました!

コットンの花は、最初は薄い黄色をしていますが、光を浴びると赤い色へ変化します。

 

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上/GIZA92の花。咲いたばかりの黄色い花と赤い花が入り混じっています。

 

 

 

この花がやがて実をつけ、弾けてふわふわの綿花となります。

オーガニックコットンの収穫でも機械が使用されることが多々ありますが、

このコットンは人の手によって一つひとつ丁寧に手摘みされます。

 

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上2枚/昨年のGIZAコットンの収穫の様子

 

農家の皆様に気持ちをこめられ丁寧に手摘みされたコットンが、

気持ちをこめられ糸になり、生地になり、ものになり、人に届いていく。

オーガニックで繋がっていく人の思い。

 

私たちもその一端を担っていると思うと、「もっともっといいものを作ろう」そんな気持ちが一層強まります!

 

今年の収穫まであとわずか!後編では収穫の様子をお伝えします。