REPORT[レポート]

bioRe Open House Day 2018 【INDORE編】

パノコトレーディング の白井です。

今年のOpen House Dayは5名のお客様をお連れして、弊社からは池上と私が参加しました。池上は3年連続の3回目、私は去年農場を訪れていますが、Open House Dayは初めてです。日本を出発して、丸2日かけてようやくbioRe india に到着した。1年ぶりに訪れたが、帰ってきた感じがするから不思議だ。アウトドア好きの私としてはテントに泊まることを楽しみにしていたが、残念ながらゲストルームに案内される。長距離移動が終わり、やっと一息つけた。

 

22/NOV/2018

気持ちの良い朝。7時に目が覚めて、トレーニングセンター内を散歩する。東京、デリーとは違い清々しい。のんびりと鳥の声を聞きながら朝食を取り、いよいよOpen House Dayが始まります。

 

 

◯育種

最初は育種の説明から始まりました。12年かけて品種を作っていくとのこと。12年間は小学校、中学校、高校を合わせた年月だと思うと気が遠くなる。ここまで手間をかけるのは、自分たちで種を守っていくため。それだけインドでは遺伝子組換えの脅威がある。後述するNamaskar Goldもそのためだ。最近、日本も種が話題になり、改めて種は誰のものかと考えさせられる。

 

 

◯農法

種の次は農法についての説明に移る。bioRe india ではバイオダイナミック農法を農家さんたちに教えている。バイオダイナミックを実践している日本の農家さんを探してみたことがあるが、とても少ない。従来の農薬や化学肥料を使った農法ではない、オルタナティブな方法はたくさんある。有機栽培、自然栽培、不耕起栽培、そしてバイオダイナミックなど。私自身、農ある生活をしているわけではないので、何が正しいのかは分からない。ただ、自然のサイクルを大切にして、化学的なアプローチはしないで欲しいと願う。その後、Aavran Handlooms(手織りの施設)を訪れ、バイオガスプラントの説明を聞く。

 

 

 

◯最初の畑

トレーニングセンターを後にして、車で実際の畑に移動する。11月後半というのに、日差しが厳しく、Tシャツになる。

 

 

受粉させる様子を見せてくれる。

 

 

農家さんたちはコットン以外も農作物も育てている。落花生、大豆、ソルガム、ゴマ、ひよこ豆、ムング豆など多岐にわたる。

 

 

村人たちが歓迎の踊りを披露してくれた。

 

 

◯研究機関

次はbioReの研究機関へ向かう。バイオダイナミック農法、有機農法、慣行農法、遺伝子組換えの種を使った農法を比較する。土、昆虫、種など畑にまつわるものが保存されている。写真は昆虫たちが保存されている様子。

 

 

夜は気温が下がり、気持ちの良い外で夕食を取ります。

 

 

23/NOV/2018

翌朝。テントで泊まっている人たちのために、お湯を用意してくれる。これがシャワーの代わりになる。朝からお湯を準備するのも大変です。

 

 

 

◯遺伝子組み換えのテスト

トレーニングセンターでは葉、種のレベルで遺伝子組み換えかどうかのテストをする。繊維の状態でテストする場合は、ドイツに送る。

繊維レベルでテストするイメージが湧かず、去年11月に日本オーガニックコットン流通機構で遺伝子講義をして頂いた藤沼様に問い合わせた。「繊維も細胞の集まりでタンパク質です。繊維の状態は葉、種のときよりも水分が飛んでいる(=細胞液が出てしまい、本来の細胞の形成が崩れている)可能性があるとのこと」「そのためタンパク質を調べるよりはDNAレベルで調べる必要がある」

 

 

◯スクール

初日とは違う畑を見学した後、アニメーションスクールへ移動して子供達の歓迎を受ける。弊社が支援しているスクールの先生(右から3人目、デニムを履いている)が来てくれて、招き猫の楯を頂く。そのスクールはここから車で2時間ほど離れているので、また別の機会に伺いたい。

 

 

◯別のスクールへ

アニメーションスクールよりも年上の生徒さんたちが通っている学校へ移動する。ここでも歓迎して頂き、私のヨガのイメージは崩れました。色んなスタイルがあるらしい。

 

 

◯ジーニング工場

綿花から種を取る工程。20台近い機械が大きな音を立てて稼働している。

 

 

安全管理もしっかりして安心した。

 

 

そして、ハイライトの1つ。

 

 

みんなが着ている黒のTシャツ。金色の文字でNamaskar Goldと書かれている。これはコットンの品種の名前です。Remei、bioRe と地元のパートナーとが協力して商品化まで漕ぎ着けた。今回のOpen House DayはこのNamaskar Goldのためと言っても過言ではない。遺伝子組換えの綿が9割以上を占めるインドで、オーガニックコットンを守っていく決意の現れだと思う。

 

 

時間が押していたため、Remeiの人たちとはここでお別れ。私たちはトレーニングセンターへと帰る。

人が少なくなり、静かな夜。2日間食事を作ってくれたシェフに、チャイの作り方を見せてもらう。

 

 

◯Open House Dayの最後に

1年前ここの農場を訪れて、私は農業に興味を持った。まず社内で農業の勉強会を行うことができた。また個人的に市民農園を借り、野菜やコットンを育てた。コットンは土作りから始まるのだと改めて思う。

東京のアルファルトの下にある土。インドのコットンが育つ土。土は土ではなく、人と同じように様々だ。土は植物や微生物を始めとする有機物、火山灰、溶岩、サンゴなどその土地特有の鉱物(ミネラル)、空気と水で成り立つ。絶妙なバランスが取れているのが良い土だと思う。

土を作り、そこに種を蒔き、綿花を育てる。綿花から糸を紡ぎ、生地にする。0.数ミリの厚みの中にある物語を垣間見る2日間だった。

 

ご参加された皆様ありがとうございました。準備をしてくれた、Remei, bioRe India,農家さんたち、ありがとうございました。

そして翌朝、私たちはAMEDABADへと向う。

 

AMEDABAD編へと続く