REPORT[レポート]

bioRe Open House Day 2019

オープンハウスディ(以下、OHD)2019には弊社から白井が参加。

 

飛行機で成田からインドの首都デリーへ。翌日デリーから国内線でインドールへとやってきた。さらに車で移動すること4時間、無事にbioRe Indiaに到着した。

 

 

 

◆OHD 1日目

東京、デリーとは違い、空気が澄んでいて気持ちが良い。

 

 

成田を出発して、丸2日間。いよいよOHDが始まった。歓迎のしるしにマリーゴールドの首飾りを渡される。今年は去年よりも参加者が少ないが、その分じっくり見ることができそうだ。

 

 

◆畑1

オープニングセレモニーが終わり、早速畑に向かう。

首から下げているマリーゴールドの花は益虫を呼ぶ。益虫の代表格はテントウムシだ。そして害虫はサッキングペスト、アメリカンボールワーム、ピングボールワームと呼ばれる虫たち。益虫、害虫と分けて呼ぶのは人間の都合だ。

 

 

GOC(にんにく、タマネギ、唐辛子の頭文字を取ったもの)と呼ばれる忌避剤。ナチュラルな害虫対策である。

 

今回は農家さんとディベートをする時間があった。

 

 

左のピンクシャツ農家さんは5エーカーの土地を持っている。土地が狭いので、経済的には厳しいとのこと。土地をたくさん持っている農家さんの方が収入は安定する。

右の農家さんは18エーカーの土地を持っている。

500-1000kg /エーカーのコットンが収穫できる。

 

ちなみにコットンの種はbioReから種を買う。1エーカーで約450gの種を使う。畑に直接種を蒔いて、育てていく。

 

 

◆セレモニー

農家さんたちとの会話が終わった後、ちょっとしたセレモニーがあった。Remei創業者であるホフマン氏の引退セレモニーがあった。インドでは重要な意味をもつ牛がプレゼントされる。

 

◆パティル先生

その後、隣にあるfiBLの研究機関へ歩いて移動する。土、虫、年ごとの種を保管して研究に役立てている。

インドのコットンの専門家の方も来ていた。パティル先生は元々大学の先生だ。彼曰くbioReのすごいところは種から作っていること。他のオーガニックコットンプロジェクトは種を買っている。

 

 

◆OHD 2日目

最初は遺伝子組み換えのテスト方法を学んだ。溶液につけて、反応が出るかを確認する。

 

 

◆畑2

昨日とは別の畑に移動する.

ここではいろんな品種を作っている。固定種やF1品種はもちろん、形成ごとにナンバリングをして管理している。

綿の分割は通常は4つだが、5のものもあった。

 

◆BTコットンについて(遺伝子組み換え種子)

BTコットンの葉も花も、害虫にとってはすべて毒である。

アメリカでは1995年から、インドは2002年から広がり始める。これは害虫であるアメリカボールワームには効くが、ピンクボールワームには効かないという特性がある。

 

 

◆ソーシャルプロジェクト

午後からはアニメーションスクールを見学する。(弊社が支援している学校は遠いので、別の会社が支援している学校を見学する)

 

 

先ほどの学校よりもひと回り大きな学校へ移動する。生徒さんたちがインドの偉人達に扮した黙劇をしていた。カンジーは偉大だ。

 

 

◆ジーニング工場(種を取り除く工程)

最後はジーニング工場を見学した。今年は雨が多く、例年よりも収穫量が少なかった。

 

 

◆bioRe india 3日目

コットンは農作物だ。今年はコットン以外の農作物の生産現場も視察した。オーガニックの小麦、大豆、トウモロコシ、豆類を育てている。

最初は脱穀機を見せてもらった。

 

 

◆最初の農家さん

11月ということもあり、全て収穫が終わっている。そのため農家さんの保管場所を中心に見学することになった。

25エーカーの畑を持っている農家さん。規模としてはとても大きい。トラクターも1台保有している。

 

大豆

雨が少なくてもうまく作れる農作物。

品種は三種類。(Js335,Js9560, Ruchi 1027)

Ruchiはソイミルクに適している。

 

 

トウモロコシ

コーンフラワーにしてチャパティを作ったり、牛の餌になったりする

 

小麦

1544という品種を育てている。

 

 

◆2人目の農家さん

2つ目の農家さんに移動して、豆類(Chick pea)を試食させてもらう。炒めただけなのだが、とても美味しい。粉にして、パコラ(インド料理)を作る。ヒヨコ豆はカレーに入れて使う。

 

 

コットンは育てるのに半年ほどかかるが、豆類は2ヶ月で収穫できる。

豆は2-3年保管することができる。

 

 

◆3人目の農家さん

3軒目はムング豆、ソルガムを作っている農家さん。もちろんコットンも作っている75歳。bioReとは20年以上の付き合いがある。ちなみに昔は牛が40頭もいたが、今は15頭。

ムング豆はコンパニオンプランツの1つ
彼の豆は質が良くて通常の相場よりも2倍ぐらいで売れた。とても誇らしげだ。

 

 

 

◆最後に

インドの農家さんたちはコットンのことを「カパス」と呼ぶ。もっとくだけた言い方だと「ルイ」。

 

 

農家さんが言っていた。慣行栽培で育てた農作物の方がマーケットで高く売れる。ただbioReだとお金以外の保証があり、とても助かっているとのこと。例えば、種がなくなってしまった場合にもらえる。他にも、農業のトレーニングを受けることができるなどである。

 

そしてこう続ける。未来のことを考えると、オーガニック農法が良い。

 

今の収入と未来のことを天秤にかけていることが印象に残ったOHDだった。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。